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今までのスピルバーグ作品の中で、最も話が複雑だと思う。二転三転する内容なので、何も考えずに見るジェットコースタームービーを想像すると肩透かしだ。これはSF映画というよりも、未来を舞台にしたサイコ・サスペンスと言った方がいいだろう。そしてこの未来世界は実に青い。ブルーに覆い尽くされた、とてもダークな世界。最初は説明的な台詞と画が多いが、走路に落ちてく車にしがみつくジョンから加速する。(個人的にこの走路のシーンが一番好きです)、空飛ぶ警官達や、ダニー達から逃げるシーンは、まさにスピルバーグならではの、ハラハラドキドキ体験。気持ち悪いシーンや、エロティックシーンや、皮肉めいたシーンやジョークシーンなんかもあって、とにかくいろんな要素が画面いっぱいに凝縮されてます。特に、この映画はやたら広告が出てきます。プライバシーは侵され、とても嫌な管理社会です。網膜チェックをくぐりぬけるために、目の手術をするシーンは、時計じかけを思い起こさせますが、トムクルーズは目を麻痺させて自分でやったそうです。おそらく、中途半端だとか、いろいろ賛否両論ありそうな作品ではありますが、僕はディックが好きだし、思いで深い映画にもなったので、8点を捧げましょう。
【あろえりーな】さん 8点(2002-11-04 00:26:33)
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