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レビュー情報
超低予算映画でその名を知らしめたS・ライミ監督としては、この超高額予算映画はいかにも不似合いで居心地悪そうに映る。金が掛っていても掛っていないように見せることにも才能のある人かも知れない。だいたいコミックブックからして、そのスケール感など微塵も感じないではないか。そしてそんな予算などとは関係なく、むしろ意外なほどキチンとした人間・青春ドラマになっていることに、一種の驚きと爽快感を覚える。T・マグワイアの特徴のある眼の演技が存分に生かされ、彼の言うに言えない気持ちは十分に伝わるし、そして彼女の唇に残っている微かなキスの感触が暗示的なこのエンディングには、切ないまでの情感が溢れている。たった一度だけTVスポットで見た、遠景の世界貿易センタービルにクモの巣を張った逆光のショットが、諸般の事情でやむなくカットされたのが何とも残念。あと、「大いなる力には、大いなる責任が伴う」の名セリフを吐いたC・ロバートソンの元気な姿が嬉しかった。
【ドラえもん】さん 9点(2002-06-30 14:20:30)
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