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レビュー情報
50年も昔に創られたR・ワイズ監督初期の作品。ある日、一機の空飛ぶ円盤(UFOにあらず)がワシントンに飛来。その目的は、一体のロボットを従えた一人の宇宙人(エイリアンにあらず)が、争い事の絶えない地球人たちに警鐘を鳴らす為に。彼は、高度な科学兵器が地球はおろか宇宙にまでその影響が及ぶ為、各国の代表者を召集し話し合って、それを阻止して欲しいと主張するのだが・・・。確か映画の中でははっきりとは言ってなかったように思うが、高度な兵器とは明らかに“核”のことである。反核と世界平和。皮肉にも当時も今も世界情勢のキナ臭さはなんら変わらないといった、まさにいつの時代にも適合しうる普遍的なテーマを扱った作品だと言える。戦車や武器を手にした軍隊あるいは群集が、未知の物体を遠巻きに取り囲むシーン。そして抵抗する者を一瞬のうちに消滅させるロボットの怪光線(レーザー・ビームなどと言ってはいけない)の脅威といった構図は、今日に至るまでの、ありとあらゆるSF映画の教科書である。この作品をB級SF映画などと言ってはいけない。今と違い当時は空想科学映画と呼称され、一般の映画と比べ社会的認知度が低く、幼稚・低俗といった、いわゆるお子様映画的にしか評価されなかった歴史がある。そんな中にあっても本作のリアル感や恐怖感など、ワイズ監督の力量と映画に対する真摯な姿勢を存分に感じとれる作品となっている。
【ドラえもん】さん 8点(2003-03-14 00:42:51)(良:3票)
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