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レビュー情報
スーパー強盗に押し入った男女三人が、警察の追跡をかわしながら逃避行を続けるという、一種のロード・ムービー。P・フォンダ主演という事もあって、いわゆる反権力を謳ったアメリカン・ニューシネマのようなテイストもあるが、むしろこの頃の主流である「田園郊外型アクション」の代表作の一本と位置付けたい。物語の性格上、全編が凄まじいカー・アクションで貫かれていて、とりわけ地元警察の保安官が乗るヘリとの攻防が最大の見せ場となる。この保安官フランクリンに扮するのがV・モローで、そのクレイジーさはラリーと好一対をなし、追う側としてのインパクトは強烈で本作をより面白くしている。追われる側の三人だが、フォンダ演じるラリーは元レーサーという事もあって、その抜群のドライバー・テクニックを駆使して、カーチェイスを楽しんでいる野放図な男として描かれる一方、相棒のディーク(=A・ロアーク)は自分たちの行動に何かと疑問を抱く良識派として対比させていく、その妙味には捨てがたいものがある。そして、この二人に絡むチャーミングだがいかにも粗野で頭の弱そうな娼婦メリーを、この頃の売れっ子S・ジョージが好演という様に、アクション以上に登場人物のキャラが際立った作品でもあった。後半のある小さな事故が衝撃のラストの伏線としても効いていて、本作はこの時代の無軌道な破滅型の若者の青春を鮮やかに浮び上がらせている。
【ドラえもん】さん 7点(2003-11-13 11:47:07)(良:1票)
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