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金持ちのたわごと、それにまたのっかる一般ピープルというのはリアリティない、という批判が起きるだろうなあと思いつつ、これはハナからそういう反論を受け付けるつもりなどないファンタジーなんだなあ、と思いました。アメリカ映画はこういうシリアスな状況とファンタジーを組み合わせてナチュラルに見せてしまうテクニックにおいては、ほんとに長けていますねえ。いや、このロブ・ライナーという監督が、でしょうか。定番のキャラを演じて破綻のない2人の名演技と、最初は単なる脇役にしか見えなかった秘書氏のイイ味で、最近見た映画ではなかなかGOODでございました。だけど「ファンタジー」と書きましたが。この映画は必ずしもファンタジーと言い切れない面もあると思うのですよ。すでに亡くなった人ですが、私が知っていたある終末期の人は、家族と一緒に最後の海外旅行へ行き、再入院のさなかにも遊園地や温泉に行くなど、ふつうの生活を楽しみ、そして亡くなっていきました。死は生の続きで、死ぬ最後の瞬間まで人は生きている。その人らしい生をまっとうしようよ、それでこその人生だ。私も彼女や多くの先達からそう学んできたし、この映画もそういうメッセージを発しています。自分の死生観にもフィットしたからかな、後味もとてもよかったです。
【おばちゃん】さん [映画館(字幕)] 8点(2008-05-13 10:23:15)(良:1票)
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