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舞台劇『アマデウス』の映画化であって事実を追求した映画ではないと監督自身が語るように、サリエリのモーツァルト殺害説にはあまり信憑性はないようです。サリエリがモーツァルトの出世を妨害したという証言はあるそうですが、反対にモーツァルトがベートーベンやシューベルトまで指導したというサリエリに嫉妬していたという話まであります。事実を追求した映画ではないとはいうものの、5歳でメヌエットを作曲、8歳で交響曲、12歳で2つのオペラとミサ曲を作ったというモーツァルトの天才ぶりや奇行が目立ったという変人ぶりはしっかり描かれていました。その変人にして天才のモーツァルトを演じたトム・ハルスは素晴らしかった。背面弾きというんでしょうか、あんなこと普通できませんよ。サリエリ役のF・マーレイ・エイブラハムと共にかなりピアノの特訓をしたのだと思われます。 そしてこの映画の醍醐味はなんといってもこの作品を彩るモーツァルトの数々の名曲でしょう。曲づくりにおける天才ぶりはサリエリにしか解からなくとも、音楽が単に素晴らしいということは凡人の我々でも感じることができます。天才が長年に渡って作り上げた名曲たちを一気に聞かせるんですから、こんな贅沢な映画はないですよ。この名曲たちが映画の評価を押し上げているというのは言わば反則技です。しかしこれも素晴らしい選曲があって初めて映画と一体となるのです。豪華な衣裳やカツラも見所です。
【R&A】さん 7点(2004-06-04 14:54:36)
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