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《ネタバレ》 導入部で「あーよくある『田舎の人たちはみんないい人』系のやつかなー」と嫌な予感に襲われつつ、しかし序盤でそれを吹き飛ばしているのは、誰あろう、市毛良枝さん(当時25歳!)なのです。さらっとした台詞の一つ一つに、丁寧な重みが乗せられている。この存在感。それでいて方言女優としても完成形です。倍賞千恵子も押されています。●で、いざ公演をどうするということになるのですが、こういうときの定番(?)である、内部分裂とか謎の妨害勢力とかの方向には見向きもしない。目の前の会議の一つ一つで、その場にいる人を納得させるのがどれだけ難しいか、そこにきちんと向き合っている。そこに誠実性を感じます。●そして公演本番となるのですが、これはこれで面白いものの、結局、映画としての力ではなく、元の劇団の芝居の力だという気が・・・。●あと、序盤であれだけのインパクトを残しつつ画面から消えてしまった市毛さんですが、本番公演には地元に戻って駆けつけました!なんて感傷的な方向にはならない。東京で何とかしていることだけが1シーンでさらっと語られる。この辺のけじめのつけ方は、この頃の山田監督ならではです。
【Olias】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2025-04-28 01:42:48)★《新規》★
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