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今を去ること約80年前に、既に吸血鬼映画、いや恐怖映画の決定版的作品が登場していたという事実に先ず驚かされる。冒頭のこけおどしの音響を使わずに白い文字で映し出させるタイトルにはこれからの出来事を予想させるような恐怖感を煽る効果があるし、いきなり手や顔が飛び出してくるような演出ではなく暗闇の中、白い顔、ギョロリとした眼、長く伸びた爪を持った怪物が淡々と歩み寄るという心理的恐怖を増幅させる演出で、見る者を恐怖の世界へと引きずり込むその演出の素晴らしさ。今の映画に登場する、恐怖の帝王としての威厳を捨て、宙を飛びよくわからん格好をして神に背く事もやめた似非吸血鬼と違い、真に恐怖を植え付け、闇を支配する邪悪の王としての吸血鬼を描いた正に正統派。恐怖映画とはかくあるべきというお手本を見せられた作品であった。
【クリムゾン・キング】さん 8点(2004-06-30 21:05:36)
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