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実は,これが私の初のたけし作品だったりする・・・。どうもバイオレンス系は見たくないので,ほのぼの路線ぽいこれならいいか,と思い手にしたDVD。菊次郎ってのはたけしのとうちゃんの実名だから,たけしの生い立ちの記なのか,と思ったら全然違っていた。オープニング,ピアノをフューチャーしたメロディに載せて子どもが橋の上を走ってくる場面は,如何にも,ヒューマンな作品ですよ,って主張が妙に鼻についてしまい,私にはあざとい感じがした。たけしとしても,新境地の作品だったのだろうが,どうも恣意的な印象は最後までぬぐえず,意図が見えるだけに隔靴掻痒のもどかしさがずっとあったのが残念。豊橋での描写が弱いからかどうか,あの子の思いは,多くの人たちとの触れ合いの中で果たして本当に自己完結したのか,と疑問に思った。 たけしの演技,と言うよりもろに地でいっている感じで,演技じゃないんじゃないか,と思えるくらいだし(褒めているんですよ),脇を固める芸人や役者たちもうまいと思う(バスの来ないバス停にビートきよしが出てきたのには笑えた)。多くの方々がご指摘のように久石譲の音楽も秀逸。所々の日本らしい風景もOK(隅田公園と吾妻橋,遠州のどこかと思われる海岸等),ということで,印象的な絵がちりばめられているだけに,惜しいとも思う。蛇足ながら,前述の通り菊次郎とはたけしの父の本名だけに,今は亡き父への哀惜の念がこうした題名となったのだろうか・・・。 因みにTVでは林隆三や陣内孝則が父・菊次郎を演じていたが,妙に笑えたりする・・・。
【koshi】さん 5点(2002-12-15 14:06:20)(良:2票)
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