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《ネタバレ》 実にウマく、映画を作ってますよね。ウマく作られてて、感心させられて、でもちょっとイヤミに感じたりもする訳で。叔父に頼んだ金策の代償として、殺人の依頼をされた兄弟。通常ならひとりの人間が内部に抱えるであろう葛藤を、いかにも映画らしく、兄弟二人の間の葛藤として描いて見せる。ウマいよね。2時間弱の映画、どのあたりで殺人を行わせるか、バランスを考えてタイミングも計算通り、ってな感じ。あとは殺人にいたる過程、人間模様、追いつめられていく姿を、着々と脚本に盛り込んでいく。そうそう、一度は未遂に終わるシチュエーションも入れて、ハラハラさせないとね、と。結末は、虚しさを漂わせたりなんかしちゃったり、そういうところがオトナなんだよね、と。いや実に見事なストーリー・テリングなのですな。そんでもって、やっぱりこれは映画なのだから、キメるシーンはしっかりキメて撮ってみせよう、と。ではこれは文句なしに楽しめる作品なのか、と言うと、どうもモヤモヤする。きれいにまとまり過ぎたものの持つ、物足りなさ。なーんか、計算し過ぎなんじゃ、ないのかなーー。もう少し、イビツでいいんじゃないのかなーー。痛烈さが弱い、皮肉が皮肉になり切れていない、そんな感じがするんですけれども、そういうケチをつけるのは、贅沢なんですかねえ。ところで、映画の最後、兄弟に何が起こったかを知らずにいる姿を描かれるのは……パートナーの女性たちなんですね、なんかコレもピンと来ない。やっぱりここで登場すべきは、“親”じゃないのかな~と思っちゃうのは日本人の発想ですかねえ。
【鱗歌】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2012-05-20 17:58:10)(良:1票)
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