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寅さんシリーズに「抱腹絶倒」という形容は似合わない気がするのですが、この第2作、いやあ、本当に爆笑させていただきました。生みの母を訪ねるくだりが最高、ほとんどシュールギャグとも言える無類の可笑しさ。一方、落ち込んだ寅さんを迎えるとらやでの「禁句」のくだり、こちらはお約束と言えばお約束だけど、ちょっと落語っぽい可笑しさが効いてます(ハナマルキのCM、懐かしいなあ。とは言え当時まだ私は生まれてないが)。というわけで、「大いに笑える」作品に仕上がっておりますが、実はストーリー的には、寅さんの生い立ちに関わる哀しいものがあり、フト、こんなに笑ってていいのだろうか、という気にもなったりします。実際、映画の中で、寅さんが泣いてる場面が、本当に多いんですねえ。そこで笠智衆演じる御前様が寅さんをたしなめるシーンが挿入されるわけですが、「男は人前で涙を見せるもんじゃない」という信念をつらいた笠智衆、彼の言葉であればこそ、の重みを感じます。また、この御前様に限らず、この映画では、チョイ役の人も含め(財津一郎!)、登場人物が皆、魅力的で印象深いです。が、やっぱり蝶々さん、ですねえ。蝶々さんは確か、東京生まれなんですよね?普通の関西系オバチャンとは一味違い、江戸っ子風にキップ良く関西弁をまくし立てる、という彼女の独特のキャラ、この役柄にぴったりです。清水寺や嵐山・渡月橋などの京都の名所でのロケもまた関西情緒を醸し出し、東男vs京女という永遠のライバル対決(?)を盛り上げるのでした。
【鱗歌】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2005-12-11 11:04:40)(良:2票)
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