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裏には裏があり、底には底がある二重三重のストーリー構成、どこまで行っても逃げ切れないような泥沼の世界には、正直唸らされました。それにまた、カッチョよいのよね、場面場面が・・・と言って素直に面白かったと言って終わりたかったのだけど、さすがにクライマックスは「やり過ぎ」、ここまでくると白けてきちゃいました。残酷描写に頼った衝撃は(特に繰り返しの鑑賞には)威力を損ねやすいもの。せっかく「カッチョええなあ」と思って観てたシーンの数々が、遡ってどれもこれも嘘臭く感じられてきちゃったのよね。ああ、あのタコの踊り食いも、所詮はコケオドシだったんだよなあ、と、醒めた気分で思い返してしまう。さらには、「ウヒョウヒョ、これ、グランプリ、決定ね。誰か文句ある~?」とか言ってタランティーノが喜んでる光景すら想像されてしまう。というわけで、残念な部分の残る映画でした。とは言っても、観終わってから、(最近はロクに聴くこともなくなった)ヴィヴァルディの「四季」の「冬」をフト無意識に口ずさんだりしてた私。やっぱり、この映画、カッチョよかったのは間違いないんだね。
【鱗歌】さん [DVD(字幕)] 7点(2006-04-02 23:22:31)(良:1票)
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