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《ネタバレ》 前半と後半でトーンがカラッと変わります。絵描き好き少年・真知寿一家の悲劇が静かに描かれる。これがたけし映画かと思うくらいのいいムードで描かれ、三又又三の知恵遅れ絵描きのとぼけた存在感がいい味付けで傑作に思えました。しかし真知寿の青年期に入ると明らかにムードが変わる・・芸術学校の仲間達の体当たりアート・シーンとかはコントに見えてまだ辛うじて笑えましたが、初老期に入り夫婦揃っての常軌を逸した芸術活動シーンから笑えない上、退屈に感じ苦痛の領域に入りました。前半とはとても同じ映画に見えないほど・・まぁこの壊し方がたけしっぽいのでしょうが今回は前回、前々回よりはマシとはいえ厳しかったなぁ・・終盤は完全に真知寿は狂ってたし・・あと、どうしても気になったのはやたら人が死んだり自殺する事。
たけし映画は人が死ぬシーン多いので分かってはいるですが今回はどうにも『それ必要?』と思えました、死は身近にあるものとか芸術家は命懸けという事だ等の意見を見かけましたが私には、各シーンを見てもそう感じなかった(又三とか芸術仲間達の死とか特に)。比較的、周囲は賞賛モードに近いですが私はそれとは程遠い評価となりました。そして数ヵ月後、再度観ても評価は変わらず・・。最後にフォローめいた事を書くと妻役の樋口可南子の存在感は本当に素晴らしい。ラストで見せる彼女の優しい笑顔でこの映画は何とか保たれた気がしてなりません。 凡作とまでは言いませんがそれ以上の作品とはどうしても私には思えません。 【まりん】さん [映画館(邦画)] 5点(2008-09-23 14:47:11)
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