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観終った感想は『どうしてこんなにも観ててハラハラドキドキしなかったのかなぁ?』です。圧巻の緻密な映像と壮絶アクションのてんこ盛りなのは間違いないのですけど。
冒険活劇は感情移入をした登場人物と一緒にそれこそハラハラドキドキしながら物語を同時進行で体験するのが醍醐味だと思うのですが、この映画の主人公レイに大した個性もなく魅力も感じず感情移入は不可能でした。クライマックスでレイの言う事は確かに真っ当かも知れませんがストレート過ぎて 上っ面な印象にしか聞こえず心に残りません。一応、ヒロインらしいスカーレットがある程度のキャラを立たせていましたが結局、叫んでるだけで何の為にいたのか存在意義が良く示されていません。レイと心を通わせるシーンがしっかり書かれていればまだマシだった筈。レイの親父は終始、スチーム城に取り憑かれた人にしか見えませんでした。これももう少し親子の関係の深さを見せてくれれば・・爺さんのキャラがこの物語で一番、しっかり立っているように見えて良かったです。そして声優。大友監督はアニメ的なキャンキャンしたものよりリアルを求めたようなコメントをしていますが鈴木杏と小西真奈美の演技力は別として声質はリアルに聞こえませんし既成のアニメ声優の声質とさほど変わりありません。アニメ的声を求めてないといいながらも脇のキャラにはしっかりアニメで活躍している声優を起用したりしてなんだか矛盾しています。主要キャラが津嘉山氏は除いて殆ど声優の仕事はしてないからか他のプロの声優さんとの声の演技の違和感もあって時には不快でした。沢村一樹のディビットの演技が特に下手でした。本当に監督はあの下手な演技でいいと思ったのでしょうか。児玉清はボソボソと棒読みゼリフで聞き取り辛く(そういう風な演技を要求されたかも知れませんが)主役の鈴木杏は思ったより良かったですが声の演技の不安定さが目立ってあと一歩でした。それとやはりあの男の子キャラにあの声は合いません。 そして一番、良かったのはスカーレットの小西真奈美でした。プロの声優と言われても素直に信じてしまうくらいの好演でした。これほどの労力と技術を費やした痛快冒険アクションにも関わらずあまり印象が残らない映画に感じて個人的にとっても残念です。脚本とかもっと上手く練られたと思うのですが・・9年もかかってそこは麻痺してしまったのでしょうか?大友監督。 【まりん】さん 4点(2004-07-18 14:28:43)(良:3票)
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