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剣術の世界で圧倒的な強さを誇った宮本武蔵の青年期を描く、吉川英治原作「宮本武蔵」の映画化。エンターテイメント時代劇としては抜群におもしろく、学生時代にはのめり込むようにして読んだものです。また、沢庵和尚にお婆に又八、お通に朱実といった多彩な登場人物を絡ませる人間絵巻は、文豪吉川英治の人生訓がそこかしこに散りばめられており教えられることも数多かった。この全五部作からなる一連のシリーズでは、主人公武蔵を迫真の演技でもって好演した中村錦之助はもちろんのこと、巨匠内田吐夢のゾクゾクさせてくれる丁寧かつ味わい深い演出も見どころです。《ネタバレ》今作のクライマックス、一乗寺下り松で繰り広げられる壮絶な決闘シーン。武蔵が修羅のごとき形相で、我が子をかばう父親もろとも源次郎少年を斬り捨てるという凄絶な描写には思わず唸ってしまった。この鬼畜さながらの非情な剣術体験が武蔵を苦悩させ、人間宮本武蔵の大きなターニングポイントとなる。みなさんの仰るとうり今作の決闘シーンがシリーズ中、最大の見せ場ですね。
【光りやまねこ】さん 8点(2004-09-27 15:17:39)
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