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《ネタバレ》 松ちゃんが生み出したものはほとんど素晴らしいと思ってしまう傾向がある私、てらちゃんの事なんてもちろん見た事も無いのに、既に超可愛いですから。でもそこは一映画ファンとして心をフラットにして、松ちゃんが監督という事を忘れて鑑賞しようと試みました。最初のうちはテンポが良いとは言えず、途中で席を立つ観客の感覚が分からんでもなかった。しかし三十日の業の数日目頃から、徐々にテンポ良くギャグの無茶振りが続き、それに全力で答えようとする侍野見勘十郎が芸人になっていった。体を張る笑い、伝統芸、馬鹿馬鹿しい笑い、シュールな笑い、大掛かりでお金をかけた笑い、観衆を巻き込み感動すら呼び起こす笑いなどなど…、監督の存在を忘れるどころか、お笑いに人生を奉げた(たぶん)松ちゃんにしか作れない作品ではないか。そして最後は、男、侍、父のプライドで、かっこ良くまとめています。あそこは巧いなぁ。そして遺書を読み上げて歌い出しちゃう坊主には泣かされた。あれは卑怯です。何で急に坊主が歌うんだってそれは映画だから。とにかくお笑いと映画を愛している松ちゃんが、コテコテの笑いとコテコテの映画を融合させ、新たに芽生えた父性を滲ませた素晴らしい作品。そして深い。
【ちゃか】さん [映画館(邦画)] 8点(2011-06-19 17:23:08)
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