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《ネタバレ》 武士の面目が上辺だけを飾るものになってしまったと嘆き体を張って批判する浪人。武士たちによって死に追いやられた娘婿の無念を訴える浪人。庭砂を投げ人を盾にし、変な格好の構えで抵抗する浪人。かっこ悪いけど美しいではないか。切腹=名誉ある死、と捉えていた時代に、死なんて美しくも名誉でもなく、生にしがみつく姿こそ美しいんだぞと訴えている。家宝の鎧兜なんて何の価値も無い。武士ごっこもいい加減にしろと。かっこいい殺陣なんかより、泥臭い真剣な斬り合い(実際丹波哲郎との決闘の撮影では真剣が使われたという)がそのまま本作のメッセージ。殺陣立ち回りに美しさを求めていない。だがしかし最期は惨めに朽ちてゆく。死は惨めである。家督を護らなければならない宿命を背負わされた井伊家家老の三国連太郎がラストで見せた切なげな表情も印象的。
【ちゃか】さん [CS・衛星(邦画)] 10点(2012-03-19 16:04:07)
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