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左から右へゆっくりと流れていくカメラと遮蔽物によるシーンのつなぎは、本の頁をそよ風が1枚1枚めくっていくようでとても落ち着いた雰囲気にあふれた映画でした。ぼそぼそとした西島秀俊のナレーションと坂本龍一のピアノ、抑制されたイッセー尾形と宮沢りえの表情、ふわっと揺れる宮沢りえの黒髪、モノトーンにくすんだ画面、バックを白く明るく人物を影にした構図・・・アンティークな喫茶店で壁にかかった絵画を眺めているような気分でした。服に埋もれた宮沢りえが突然泣き出すシーンには、「服」という記号からいろいろなことを想起させられ印象的でした。私も久しぶりに服でも買いに行こうっと。
【彦馬】さん [映画館(字幕)] 8点(2005-06-22 13:03:03)
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