| 作品情報
レビュー情報
数年前、自転車キンクリート公演の「検察側の証人」を舞台で拝見しましたが、やはりおもしろかったです。ストーリィを知っているので、それが逆に役者の演技に伏線を見つける楽しみがありました。みっちょんの役者センスはよかったね~。ということで、ストーリィを知った上で、この映画を見てみるとまたおもしろい。その意味で、やはりロートンの台詞、しぐさ、表情がこの作品を見事に支えています。辣腕弁護士でいながらおちゃめ~。さて、ラッセル・ハーランのカメラは、舞台劇の雰囲気をそのまま表現したような、パンフォーカスが随所にみられます。弁護士事務所、法廷での人物を縦に配置した奥行きあるシーンでたたみかけてきます。弁護士、検察、被告、証人、陪審員、裁判長、これらの登場人物を同じ画面の中では、等分にピントをあてることにより、いったい全体正しいのは誰だ、何が真実で何が嘘なんだという雰囲気を作り上げています。そこへミディアムショットで、それぞれの登場人物のしぐさ、表情を射し込む事により、ワイルダーはこの舞台劇を映画として完成させたのだ、といえるでしょうか。
【彦馬】さん 9点(2004-09-03 21:27:35)(良:1票)
彦馬 さんの 最近のクチコミ・感想
|