麦秋(1951) の 彦馬 さんのクチコミ・感想

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麦秋(1951) の 彦馬 さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 麦秋(1951)
製作国
上映時間124分
劇場公開日 1951-10-03
ジャンルドラマ,モノクロ映画
レビュー情報
これはシンクロナイズドスイミングを見ているかのような映画です。人物の所作や会話の呼吸、そして配置。キャスト全体で一つのチームです。一人ハッパをかけている笠智衆はさながらシンクロチームのキャプテンてとこでしょうか。「ねえ~」「ねえ~」の呼応、「勇!」で動き出す兄弟、「ほんとにほんとよ」「え~」の杉村と原・・・。同じタイミングでコップを口に運ぶ原と淡島のショットから同じく口に食べ物を運ぶ菅井と東山のショットへのカットつなぎ。レストランで4人がお茶を飲むシーンは、既婚組を動かし手前と向うの2対2の構図を作り、最後に原と淡島が同時にお茶を口に運びます。それらを持って、いつの世も、子供はそんなもので、親はそんなもので、でもって家族はそんなもので、それが繰り返されて時が刻まれる悠久の営みを語ります。凧、喫茶店の席、紀子が勤めていた会社の窓から見る風景・・・。そしてたった一度の会話でタイトルにまで昇華させ、死者の存在を浮き立たせる小津さんと野田さんの脚本のセンス。時はめぐりながら死者もしっかりと生きていることを麦の揺らめきで堂々と語るラスト。技術点、芸術点、ともにハイポイントの素晴らしい作品です。
彦馬さん 10点(2004-12-12 23:50:11)(良:2票)
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投稿日付邦題コメント平均点
2007-02-17Gガール/破壊的な彼女6レビュー5.71点
幸せのちから8レビュー5.51点
2007-01-10かもめ食堂9レビュー6.62点
2007-01-10スワンプ・ウォーター8レビュー8.00点
2007-01-10結婚の夜8レビュー7.00点
2007-01-10ガラスの脳8レビュー5.12点
2006-12-12小早川家の秋9レビュー7.10点
2006-12-12東京の宿7レビュー6.44点
2006-12-12戸田家の兄妹9レビュー8.18点
2006-12-12淑女は何を忘れたか10レビュー7.73点
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