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誰も彼もが煙草の煙で画面を燻らし、斉藤達雄と桑野通子がトレンチコートと帽子を身に着ける。ハリウッドの30年代ギャング映画を見るかのように、なんだかやけに楽しい。桑野の斜めにかぶった帽子、決まっている。斉藤達雄が粟島すみ子をピシャリと頬を打つ、決まっている。そこへ小津のギャグセンスが、かしこに顔を出し、男と女を軽妙に描いて見せる。何気ない会話と電灯の消滅がエロスを爆発させるラストには参った。ドアの開け閉めによる斎藤と桑野の演技と本気の繰り返しのギャグ。エロスとドア、これはまさにルビッチだ。
【彦馬】さん [DVD(邦画)] 10点(2006-12-12 17:52:01)
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