素晴らしき日曜日 の 彦馬 さんのクチコミ・感想

Menu
 > 作品
 > ス行
 > 素晴らしき日曜日
 > 彦馬さんのレビュー
素晴らしき日曜日 の 彦馬 さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 素晴らしき日曜日
製作国
上映時間108分
劇場公開日 1947-07-01
ジャンルドラマ,モノクロ映画,ロマンス
レビュー情報
音が印象的な映画。浮浪児にかぶせる汽車の音、アパートの一室のポツリポツリとした雨漏りの音、突然スピーカーから流れる音楽、タクトを振り上げようとした時の風の音・・・。それぞれがその場の雰囲気を代弁しています。中北千枝子さんの、薄幸そうとはいえない明快な雰囲気も戦後の荒廃を明るく夢を持って生きようとする女性によくあっていますね。作中では、やたらと残金を計算しているのですが、現実に使ったお金が動物園の入場料以外、不本意な支出ばかり。しかしこの事実が、その後のベーカリーや音楽堂でのお金を使っていないシークェンスへ生きています。喫茶店でのミルクコーヒーの一件など残金を執拗に描いているのはそのためでしょう。またここではコートを手離させることで、目に見える形としての暖かさまでも奪っています。よって目には見えない未来のベーカリーや音楽堂でのコンサートがより際やかにその暖かさを纏うことになっているのが巧いなあ~と。音楽堂では、嬉しそうにタクトを振る男、涙ながらに観客席から見る女、お互い同方向を見ているためその表情はわからないはずなのですが、気持ちは一つになっている様子が画から伝わってきます。ラスト、黙って駅のベンチに座る二人。ここで喫茶店での女の言葉がまた生きてきます。汽車の音、揃ってちらりその方向を見る二人・・・彼ら二人の未完成交響曲が完成に近付きつつある瞬間でありました。
彦馬さん 8点(2004-10-15 00:35:52)(良:2票)
彦馬 さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2007-02-17Gガール/破壊的な彼女6レビュー5.71点
幸せのちから8レビュー5.51点
2007-01-10かもめ食堂9レビュー6.62点
2007-01-10スワンプ・ウォーター8レビュー8.00点
2007-01-10結婚の夜8レビュー7.00点
2007-01-10ガラスの脳8レビュー5.12点
2006-12-12小早川家の秋9レビュー7.10点
2006-12-12東京の宿7レビュー6.44点
2006-12-12戸田家の兄妹9レビュー8.18点
2006-12-12淑女は何を忘れたか10レビュー7.73点
素晴らしき日曜日のレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS