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いやー、にぎやかの一言。歌に踊り、クラシックにストリップ、色恋沙汰に刃傷沙汰、、、グランド・ホテルなんてぶっ飛ばせ!の勢いでたそがれ酒場はホストもゲストもわいわいがやがや。グランド・ホテルを意識するからか、ピアノを弾く音楽家は、ライオネル・バリモアに似とるなー。さてそんな群衆劇にピリッと1本背骨を通しているのが、開店から閉店まで酒場の片隅にいる老画家(小杉勇)。彼を配置することで芯のある作品に仕上がってますねー。戦時へのノスタルジー、戦争に荷担した葛藤、裏切られること、赦すこと、家族への愛、恋人への愛、生きる希望と現実、登場人物が炙り出すそんなこんなは、戦後10年目に作られたこの時代のリアリズム、日本のありのままの姿を酒場という空間にまさに縮図として描いたかのようです。そしてそれは戦争帰りの内田吐夢監督の思いだけではなく、この作品に携わったすべての人の思いが等身大でぶつけられているのではないでしょうか。同時代の心理描写に“富む”秀作だと思いました。
【彦馬】さん 8点(2004-05-07 00:37:27)(良:1票)
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