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《ネタバレ》 開始20分で、最初の涙が流れました。
期待していなかったのもあったかもしれませんが、私の人生の中で最短記録で泣いた映画です。 記憶を失った妻・澪と、巧と佑司の期間限定の生活が始まるわけですが、3人が少しずつ「家族」になっていく過程や、澪と巧がもう一度最初から恋をして、結ばれていく過程がとても美しく神秘的に描かれていました。 夫婦が2人きりの時に描かれているのは「恋愛」で、そこに息子の佑司が加わると「家族愛」が描かれる。 ある意味理想の愛のかたち、と言えそうです。 「ぼくのせいでママは死んじゃったんでしょ?」と佑司がいうのに対し、澪が「佑司はね、ママに幸せを運んできてくれたの。望まれて望まれて生まれてきたんだよ」と返す。そのシーンの竹内結子の声は「母親」の愛情で満ち溢れていたと思います。 巧が「澪を幸せにしてやれなくてごめん」と言えば、澪はにっこり笑って「似たもの親子ね」と言ってから「あなたの隣にいられることが、私の幸せだから、私はあなたと出会ってからずっと幸せだったよ」と続ける。このシーンの竹内結子はちゃんと「女」であり「妻」であり、何より「恋人」の声だったと思います。 それと、高校時代の澪と巧が初々しくて、もどかしくて、でも切なくて、そのシーンも微笑ましかったです。 「きみの隣は、いごこちがよかったです」と巧が書けば、未来で澪が「あなたの隣にいられることが、私の幸せ」と返す。 夢か未来か現実かわからなくなるくらい、全てがきれいにリンクしていると思います。 最後、巧は澪の気持ちを知るわけですが、タイトルでもある「いま、会いにゆきます」の本当の意味を理解した時、これまでには感じたことのないさわやかな感動が生まれました。 ハッピーエンドではないです。しかし、そこには確かに「幸せ」があります。 大切な人と一緒にいられる時間は永遠ではない。 でも、だからこそ、その時間は輝きを増すのかもしれないと思いました。 また、森の緑や雨が、これほどまでに美しいとは知りませんでした。 雨の季節が、ちょっぴり好きになれそうです。 本当に、素敵な作品でした。 【みさえ】さん 10点(2004-11-11 10:05:32)(良:2票)
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