ブロークバック・マウンテン の onomichi さんのクチコミ・感想

Menu
 > 作品
 > フ行
 > ブロークバック・マウンテン
 > onomichiさんのレビュー
ブロークバック・マウンテン の onomichi さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 ブロークバック・マウンテン
製作国
上映時間134分
劇場公開日 2006-03-18
ジャンルドラマ,ロマンス,同性愛もの,小説の映画化
レビュー情報
「恋愛が自意識の劇であり、鏡であること、そしてその究極には不可能性という可能性への期待があり、それが刹那に超越され、持続しない。これはそういった恋愛の本質をよく捉えた小説であると共に、自意識が恋愛という観念に結実した美しくも悲しい、と同時に奇跡的に幸福な作品である」
以前、『春の雪』のレビューで僕はこのように書いた。この言葉は映画『ブロークバック・マウンテン』にもそのまま当てはまる。
この映画の優れている点は、やはりその映像にある。セリフが少ない映画ではあるが、映像は僕らに様々な言葉を伝える。それは言葉にならない言葉であるとともに、僕らに明確な言葉を喚起させるのだ。恋愛は言葉である。それは理性の森を通してしか発現しえない人間の特権である。映像が言葉を伝える。とてもシンプルかつ緻密な繊細さを要求する作業を見事に表現できたこの映画は素晴らしいと思う。表現は意思より発現し、そして意思に帰る。それはテクストや作者の背景を含めたあらゆる個人の歴史を巻き込み、作品の絶対性を生むのである。作品とは常に読者と一対一の関係にある。それは凡百のテクスト論を超えて、僕らが僕らであるが故の様々な感動をもたらすと僕は信じている。
『ブロークバック・マウンテン』は素晴らしい作品であり、珠玉の恋愛映画であった。その哀しさに心を震わすと同時に久々に幸福感を味わった。
onomichiさん [DVD(字幕)] 10点(2006-11-05 02:08:43)
onomichi さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2024-10-22サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)8レビュー8.00点
2024-10-05影の車9レビュー7.08点
2024-10-05ノーカントリー9レビュー6.41点
2024-09-16ソウルの春10レビュー8.50点
2024-09-05ラストマイル7レビュー6.15点
2024-09-05君たちはどう生きるか(2023)8レビュー5.87点
2024-09-05映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ8レビュー7.37点
2024-09-05福田村事件8レビュー7.22点
2024-07-14サラリーマン一心太助8レビュー8.00点
2024-07-14一心太助 男一匹道中記7レビュー7.00点
ブロークバック・マウンテンのレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS