アメリカン・ビューティー の onomichi さんのクチコミ・感想

Menu
 > 作品
 > ア行
 > アメリカン・ビューティー
 > onomichiさんのレビュー
アメリカン・ビューティー の onomichi さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 アメリカン・ビューティー
製作国
上映時間122分
劇場公開日 2000-04-29
ジャンルドラマ,ラブストーリー,コメディ,青春もの,学園もの,エロティック
レビュー情報
主人公が取り戻そうとしたのは、自身の「青春」である。彼が会社を辞めてフリーターになり、娘の友達に魅せられて肉体を改造し、マリファナを吸ってロックを絶叫するのは、自らの青春への信とその回帰の意志からくるものであろう。この映画は、そんな青春に象徴される精神の自由とか、利己主義とか、社会に対する無責任さなどというものに対する無邪気な信頼を描いたものなのだろうか。 
きっかけは、主人公を襲う妄想であった。現代的妄想とは、現実によって侵食された内面からの末期の悲鳴である。そしてそれは現実/世界を超越する意志という失われた原初的思念の新たな発現になり得るのである。
この物語のもう一方の主人公は隣人の若者であろう。彼の存在によって、ケビン・スペイシーの無邪気さは相対化されていると感じた。彼の現実は最初から不透明である。そこには回帰すべき青春への信などというものは既にない。しかし、彼とケビン・スペイシーはまるでコインの裏と表のような存在であるようだ。彼らが同じ世界を生きている以上に共有している思念を感じるのだ。それこそがこの映画のモチーフである「生きていくことへの信」だろう。そのモチーフに繋がる若者の動機が少し弱いかもしれないが、ある意味でそこにこそ「青春」というタームを超えたこの物語の新たな可能性を見たような気がする。
onomichiさん 9点(2004-08-27 23:37:02)(良:1票)
onomichi さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2024-10-22サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)8レビュー8.00点
2024-10-05影の車9レビュー7.08点
2024-10-05ノーカントリー9レビュー6.41点
2024-09-16ソウルの春10レビュー8.50点
2024-09-05ラストマイル7レビュー6.15点
2024-09-05君たちはどう生きるか(2023)8レビュー5.87点
2024-09-05映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ8レビュー7.37点
2024-09-05福田村事件8レビュー7.22点
2024-07-14サラリーマン一心太助8レビュー8.00点
2024-07-14一心太助 男一匹道中記7レビュー7.00点
アメリカン・ビューティーのレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS