ジャニス の onomichi さんのクチコミ・感想

Menu
 > 作品
 > シ行
 > ジャニス
 > onomichiさんのレビュー
ジャニス の onomichi さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 ジャニス
製作国
ジャンルドキュメンタリー,音楽もの
レビュー情報
ロック映像・ドキュメンタリーとしては、BBS "An American Band"、The Who "The Kids are Alright"、The Band "Last Waltz"、John Lennon "Imagine"、Elvis "That's the Way It Is"と共に時代を代表する作品と言えよう。

ジャニスを一躍スターダムに押し上げた1967年のMonterey POP Festivalでの名唱"Ball and Chain"、BB&HCとの"Summertime"のレコーディング風景、そして、Kozmic Blues Bandとの共演によるヨーロッパツアー、フランクフルトでの演奏などを収録している。
圧巻なのは、やはり、Full Tilt BoogieとのFestival Express(カナダ)での演奏であろうか。"Tell Mama"、"Kozmic Blues"、"Cry Baby"と素晴らしいステージングが続くが、正に鬼気迫る熱唱と言う他ない。(彼女の夭折はその3ヶ月後である)
ジャニスのステージというと夜のイメージが僕にはある。ウッドストックでの"Work Me, Lord"もナイターの煌びやかさが映えた印象に残るステージだった。

本作『JANIS』には彼女の代表的なステージ映像の他に貴重なインタビューも収録されている。実は、このインタビューがジャニスの本性とでも言うべき彼女の誠実さをよく伝えていて、演奏シーン以上に感動的なのである。それは上記のロック映像作品の全てに共通するが、彼らの生き様そのものを垣間見せ、そのステージの印象をより彫り深いものとさせてくれる。

ロックが最も幸せだった時代、彼女は自由を心から信じ、そして歌った。夢見がちで傷つきやすい少女、世間から孤立し、笑いものでしかなかった少女は歌によって救われ、その彼女の歌が今度は多くの人々の胸を奮わせるのだ。彼女の存在の偉大さを改めて感じさせてくれる。彼女ほどロックの本質、その強さであり、弱さである「誠実さ」を体現するボーカリスト、ミュージシャンは他にいないと僕は思う。
改めて思うけど、ロックとは天性であるとともに、より人間的なもの、ブルージーでソウルフルな、その根源的な哀しみと密やかな喜びから発せられるものなのだ。彼女の歌はそのことをよく教えてくれる。
onomichiさん [DVD(字幕)] 10点(2009-03-18 20:48:54)
onomichi さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2025-03-10名もなき者 A COMPLETE UNKNOWN8レビュー7.80点
2025-02-17ファーストキス 1ST KISS(2025)8レビュー6.88点
2025-01-18惑星ソラリス10レビュー7.02点
2025-01-16華の乱8レビュー6.33点
2025-01-16大いなる幻影(1937)9レビュー7.69点
2025-01-16こわれゆく女9レビュー7.46点
2025-01-14別れる決心9レビュー8.75点
2025-01-14PLAN 758レビュー6.78点
2025-01-14アバター:ウェイ・オブ・ウォーター9レビュー6.74点
2025-01-14博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか9レビュー7.69点
ジャニスのレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS