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敢えて難点を挙げるとすれば、ダークで茶黄色っぽい映像がいまいち観づらい。CGの多用のせいかいまいち深みに欠ける。まあリドリー・スコットはいつもこういう映像なのだろうが、どうしても同じく古代ローマ時代を描いた名作「ベン・ハー」の発色の良さを思い出してしまう。親子の断絶、残酷な剣闘士ショー、倒錯と退廃、ポピュリズムとこれ全て現代の我々にも通じるテーマといえよう。独特の映像美の裏に真摯ではあるが決して押し付けではないメッセージとヒューマニズムを密かに織り込みつつ、アウトサイダーの孤独な戦いを壮大なスケールで描かせたらこの人の右に出る者はいない。ワンパターンもここまでのスケールでやると偉大である。とはいうものの歴史スペクタクルとしては「コロンブス」が、映像美では「ブレードランナー」が、戦闘リアリズムは「ブラックホークダウン」が勝るのも事実。おまけにハンス・ジマーの音楽はもろヴァンゲリスだ。まあ映像に合わせるとああいう音楽にならざるを得ないのかもしれない。というわけで9点。
【わいえす】さん [ビデオ(字幕)] 9点(2005-09-13 00:55:47)(良:1票)
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