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《ネタバレ》 素晴らしかった。ダリオ・アルジェント監督作品はサスペリア、デス・サイトと見た時には特に感じるものが私には無かったのですが、これを見て改めて見直してみようかと思いました。話は現代版の怖い童話といった感じの作りで、子供の声で歌われている楽曲が印象的。冒頭の蠅を追う、絵に描いた様な日常に溢れるどうでも良い光景(このシーン好き)から、どう見てもただ事でない感じの男が少女を引きずって行く姿を目にし、雰囲気が一変する。主人公の悲劇はそこに始まり、巧みなストーリーテリングはそのまま見る者を引き込み離さない。役者が巧いのと、それ以上に監督の撮り方、演技指導が巧みなのだと思うが、ジェニファーの一挙一動が実に表現力豊かで、時に愛らしく、時に妖艶に、男の母性本能から性まで本能を見事にくすぐる。あのジェニファーのほとんどが黒目の大きな瞳は、犬や小動物を思わせる。サーカスのおっさんに仕事を頼んで来た後に、家に戻り中を探索するシーンはすごく緊張感があった。階段を落ちる子供の玩具をカメラが追うシーン、結局何でも無かったがすごいドキドキしたし、綺麗なシーンだった。(ただ何日か経って帰って来たという事が解りにくかった)遠くで無邪気にはしゃぐジェニファーを見て、イラつきながら団長の死体を庭にベンベン埋めているシーンは妙に笑えた。ラストが余りにまんまで、最後の数分がただの消化作業になってしまったのだけが少し残念だが、最後の男の手を擦るシーンは最も印象的だった。
【イチェルコ】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2007-10-19 00:02:08)(良:1票)
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