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《ネタバレ》 言語の壁、民族の壁、宗教の壁。「ことば」の伝わらぬ虚しさと「ことば」がなくても繋がる人間の絆。
一発の銃弾から始まる4つのストーリー展開は非常に強引ではあるが、それを微妙な時間軸のズレによって描写し、随所に「壁と絆」を織り込んでいます。イデオロギーの戦いから宗教戦争へと変遷した21世紀の世界紛争の火種とかすかな解決への希望を暗示しているような気がします。それは家族愛であり、民族を超えた人を慈しむ心なのでしょうか。パニック状態のスーザンにモロッコ人通訳の母親が、鎮静剤がわりに煙草(大麻)を吸わせるシーンは強烈な希望の光です。 我々が観賞後に感じる一種の不快感は、いわゆる無宗教の頽廃した平和日本人の尺度では、現代の世界標準の現実を直視できないもどかしさからか?これも一種の「壁」(だからあえて東京が舞台に選ばれた?)なのでしょうね。 エンドロールのギターの咽びが、なぜか無性に心に染み渡りました。 【つむじ風】さん [映画館(字幕)] 8点(2007-05-09 03:10:46)(良:2票)
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