スノーホワイト(2012) の 鉄腕麗人 さんのクチコミ・感想

Menu
 > 作品
 > ス行
 > スノーホワイト(2012)
 > 鉄腕麗人さんのレビュー
スノーホワイト(2012) の 鉄腕麗人 さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 スノーホワイト(2012)
製作国,
上映時間127分
劇場公開日 2012-06-15
ジャンルアクション,ラブストーリー,アドベンチャー,ファンタジー,シリーズもの
レビュー情報
このところのシャーリーズ・セロンは、“役選び”がとてもうまい。作品自体の善し悪しは別にして。
「ヤング・アダルト」しかり、「プロメテウス」しかり、そしてこの「スノーホワイト」しかり。

アカデミー賞を受賞した「モンスター」以降、与えられた役においてとことんまで“汚れられる”ということが、この美しい女優の最大の強みだろう。
類稀な美貌と表裏一体の「劣化」を伴うキャラクターを演じることにおいて、今彼女以上の適性を持ったスター女優はいまい。

そんなわけで、今作におけるシャーリーズ・セロンの“魔女役”はまさにハマり役だった。
何やら暗い過去を抱えつつ、他人の若さと美を吸い尽くし、残虐非道な悪役を貫き通す様は、彼女のクールな美貌に相応しい。
そして、正義に敗れ文字通り仮面が崩壊する様の恐ろしさも、彼女だからこそ成立した表現だったと思う。

と、悪役でありながら今作において殆ど主役扱いのアカデミー賞女優のパフォーマンスは賞賛に値するけれど、正直この映画の見所はただそれだけと言っていい。

映画全編通して映像に一定のクオリティーは備わっているものの、すべてのシーンが他作の使い回しのように見え、オリジナリティーがことごとく無かった。
もし、「ロード・オブ・ザ・リング」や「もののけ姫」などの作品がこの世に無いのならば、手放しで感嘆できるのだろうけれど、もちろんそうでない以上生じるのはチープな二番煎じ感のみだ。
それなりにレベルの高いスタッフは揃っているのだろうが、そこに「作家性」が皆無だったことが致命的だったのだと思う。

この映画の本来の主人公スノーホワイト即ち白雪姫は、彼女を守るべく倒れていった数々の“屍”の上に立ち、“統べるもの”へと成長していく……という風に描こうとはしている。
世界一有名な御伽話をベースにして仕立て上げられたダークファンタジーのその方向性自体は良かったと思う。
が、それも充分な尺のわりには酷く中途半端で、主人公の成長自体を描ことが出来ていないので、作品としての深みを生むには至っていない。

そして個人的に何よりもこの映画のマイナス要因となったのは、予告編で映し出されてたいくつかの印象的なカットが本編には無かったこと。
映画のプロモーションにおいてはしばしば見受けられることではあるが、どういう事情があるにしても観客に対してはあまりにアンフェアだ。
鉄腕麗人さん [ブルーレイ(字幕)] 4点(2013-03-03 15:42:42)
鉄腕麗人 さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2024-12-02デッドプール&ウルヴァリン9レビュー5.71点
2024-11-25蜘蛛巣城6レビュー7.55点
2024-11-16十一人の賊軍8レビュー6.80点
2024-11-16モアナと伝説の海6レビュー6.81点
2024-11-16ルックバック10レビュー7.72点
2024-11-09ARGYLLE/アーガイル6レビュー6.00点
2024-11-05猿の惑星/キングダム8レビュー7.00点
2024-11-05ザ・クリエイター/創造者7レビュー5.84点
2024-11-03ゴジラ×コング 新たなる帝国7レビュー5.57点
2024-10-27がんばっていきまっしょい(2024)6レビュー6.00点
スノーホワイト(2012)のレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS