サイダーのように言葉が湧き上がる の 鉄腕麗人 さんのクチコミ・感想

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サイダーのように言葉が湧き上がる の 鉄腕麗人 さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 サイダーのように言葉が湧き上がる
製作国
上映時間87分
劇場公開日 2021-07-22
ジャンルドラマ,ラブストーリー,アニメ,青春もの
レビュー情報
ヘッドホンは屋内外問わず必携だし、マスクも現在の感染症対策に関係なく実は一年中していたい。
特に明確なコンプレックスがあるわけではないけれど、世の中に対してささやかな“ガード”をすることで、心を落ち着かせることができる。
そのことが他人とのコミュニケーション不足に至ってしまっていることも否めないけれど、この社会の中で折り合いをつけるためにはもはや不可欠な「対策」だとも思う。
そうそれは、僕自身の性質だ。

そういうわけで、本作の主人公二人が抱えるコンプレックスとその心情に対しては、最初から共感せずにはいられなかった。

思春期特有のナイーブさも重なり、すべてをさらけ出せない二人は、それでも自分自身の存在証明のために、俳句を詠み、ライブ配信をしている。
アニメ作品としては特に劇的なドラマが繰り広げられるわけでもなく、ファンタジックな事象が巻き起こるわけでもない。とある地方都市の大型ショッピングモールを舞台にしたミニマムなボーイ・ミーツ・ガールだった。

劇的ではないストーリー展開が、むしろ逆に主人公たちをはじめとする登場人物たちの何気ない心情を浮き彫りにし、愛らしい人間模様を表現していたのだと思える。
大型ショッピングモールがデンと構える風景も、もはや日本中のあちこちで見られるありふれた光景だろうけれど、ヴィヴィットでポップな背景のグラフィックデザインが、彼らにとって特別な「今この瞬間」を切り取っていたと思う。

キャラクター造形は総じてステレオタイプだとも言えるし、ストーリーテリングにも安直さやご都合主義が見え隠れすることは否めない。
それでも、“ガード”をすることしかできなかった少年少女が、自分自身の大切な思いを、行動と言葉で、相手に伝える様にはエモーショナルを感じずにはいられない。

そして、“アテ書き”としか思えない杉咲花のキャスティングが間違いなかった。

青臭く つたない言葉 ぼくはすき
鉄腕麗人さん [インターネット(邦画)] 8点(2022-05-21 00:39:12)(良:1票)
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投稿日付邦題コメント平均点
2024-04-28劇場版 からかい上手の高木さん5レビュー5.00点
ドミノ(2023)7レビュー6.87点
2024-04-14名探偵コナン 紺青の拳3レビュー4.54点
2024-04-09デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション[前章]8レビュー7.00点
2024-03-31オッペンハイマー9レビュー6.65点
2024-03-24DUNE デューン/砂の惑星 PART27レビュー6.50点
2024-03-10アルキメデスの大戦8レビュー6.60点
2024-03-02アラジン(2019)7レビュー7.24点
2024-02-24マーベルズ6レビュー4.87点
2024-02-23別れる決心9レビュー8.66点
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