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亡き淀川さんは惜しい映画だという意味で「小学生の作文みたいな映画」と言われました。淀川さんは、山田監督の意図を尊重した上でこう言われたのでしょう。山田監督は、まさに「小学生の作文のような映画」を目指したのでしょう。原作にあたる「学校」というルポルタージュを読んだけど、様々な年齢層の生徒が書く字、文章は、まさに小学生並のレベル、でもそこに彼等の喜び、怒り、悲しみが凝縮されている。彼らがノートをベコベコにして懸命に書いた作文を映画にしたのが、この作品だと思います。贅肉をとことん削ぎ落とした脚本は骨組みだけみたいにシンプル。山田作品は、けっこう賛否がなかばするんですが、この映画ほど、それが極端な作品はないのでは?確かに意地悪に見ようと思えば、いくらでも突っ込めるんですよ。かなりひどい罵倒も読んだ事があります。でも、この映画は、それに対して何の言い訳もしない。今井正、山本薩夫などが撮る話もあったらしいけど、やはりこれ山田洋次監督でないと撮れない映画だと思います。確かにバランスのとれた傑作とは言えないかも知れないけど。「教育」というものがいまのままの問題を抱えてる限り、古臭いこの映画は、いつまでも古くて新しい映画として、常に賞賛と批判の中で生きていくんだろうなと思います。この映画を見て「わたしはこの映画に感動しなかった。だって、これは私たちの映画だから」と逆説的にこの映画への感動を語った登校拒否の女子生徒の言葉が一番胸を打ったコメントでした。
【ひろみつ】さん 8点(2003-04-11 00:06:27)(良:1票)
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