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平和ボケの日本人に、この映画を問うことの虚しさを踏まえた上で傑作と胸を張って言います。暴力と憎悪は何も生まないのは事実だが、その無意味な物が威力を発揮するというおそろしさにも目を向けないと駄目だと思います。デレクの憎悪と凶暴性は他人事ではない。全然タイプが違うけど金八先生の中で、金八先生がこう生徒達に言ったことがあった。「確かに彼は悪です。どうしようもない悪です。でも、悪とは何ですか?どこに行けば悪はあるんですか?商店街ですか?警察ですか?病院ですか?違います。私達、一人一人の中に悪はあるんです。先生の中にもあります。つまり悪と戦うということは自分の中の悪と向き合うということなんです」。イラク空爆に触れてた方がいたけど、この空爆(というより戦争でしょ)の最も、恐ろしいポイントは、双方が自分を正義だと信じて疑ってないこと。真の悪は、往々にして善?の姿で現われることもある。最初は誰にもわからない。正体を現した時は、もう間に合わない。この映画は、確かに救いのないラストであるが、それでも描かれてるのは人間性と理性への希望であるのは間違いない。また同時に、それが暴力であろうと、殺戮であろうと、憎悪だろうと、愛だろうと、何だろうと人間は何か信じる対象が必要で、それほど人間はか弱い生き物なのだということも語っている。そこにこの映画の奥深さがあるのでしょう。今時の中高生にこれを映画鑑賞会で見せたらいいと思うよ。真剣にそう思います。
【ひろみつ】さん 10点(2004-08-13 13:17:25)
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