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意図的な安っぽい演出、複数ストーリーによる人物の交錯など、まさにタランティーノ節といった構成の映画です。それに今作では、モノクロ映像にどきつい赤という演出、この「赤」は良いです!血と情熱の赤は、モノクロで抑え気味の映像に、スパイスとして作用し、映像に躍動感のようなものを与えています。この躍動感こそがアクションシーンと合わせて、40~50代フィルムノワールとは違う、21世紀の進化したノワールと言ったところでしょう。また、ヴォイスオーバーで男達の内的独白をさせることで、孤独感を強調する演出も成功していると思います。一方、これもタランティーノ映画に共通するもので、意図的に抒情的な部分を削ぎ落として、クールな部分を強調するのですが、個人的にはもう少しウェットな感覚を与えて欲しい所です!これは趣味の問題で、タランティーノ的ダンディズムと私の価値観(平たく言えば「カッコイイ男の定義」)が微妙に違うので、どうしようもない所と分かっているのですが・・・やはりチャンドラー的ダンディズムと比較してしまいますね~。しかしながら、映画全体としては、映像面、構成面ともに傑作に入る部類だと思います。
【ペリエ】さん [DVD(字幕)] 8点(2008-06-08 13:15:53)
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