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「確かにこれは子供向けでしょうね。ある程度の大人なら、見るのはちょっと退屈かも知れません」・・・これは今から3年以上前に投稿したレビューの最初の2行ですが、今は僕はそう思いません。確かに物語は明らかに、「13歳(特に女の子)」に向けて作られていますが、内容は大人にも十分訴えるものも持っていると、今はそう感じます。
これから働こうとしている人としてキキが描かれている限りで、この作品はキキと同年代の(そう遠くない将来に働くことになる)子どもたちへの「応援歌」であると同時に、働き始めて仕事上の苦難に遭遇し、周りの暖かさに支えられてそれを乗り越えていくキキの様子に注目すると、これは現在働いている人たちへの「応援歌」とも言えると思います。 生きている限り、人は必ず自立し、働くことになります。僕はこの作品に、そういう「これから働くことになる人、そして現に働いている人」たちを、静かな説得力でもって力づけてくれるような暖かさを感じます。 「神様か誰かがくれた力なんだよね。おかげで苦労もするけどさ」・・・ウルスラがこうつぶやくまでのあの一連のシーンを見ると、いつも僕は、「働くこと」、しかも「自分の能力を生かして働くこと」が、何か特別な、まさに神秘的なもののように感じます。 <追記>母親のホウキを使って、特に何も考えずに飛んでいたキキが、深刻な挫折の後に、仕事のため、そして友を助けるためという自立した意志を持って、ホウキの代わりにデッキブラシで飛ぶ・・・今回見直してみて、このキキの変化にとても興味が湧きました。デッキブラシは荒々しく、キキの乗りこなしも不器用です。しかしキキは、それでも一生懸命にデッキブラシにしがみついている・・・もしかしたら監督は、このようなキキの姿に、自立し始めた若い人たちの荒々しさ、不器用さ、そして一生懸命さを投影させているのではないか、そう思いました。 【マーチェンカ】さん [地上波(字幕)] 9点(2002-02-11 17:01:21)
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