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レビュー情報
《ネタバレ》 「殯の森」は、映像の中に両極端に二分する面が実に顕著かつ対照的に描かれていると思います。それは、原風景や水や川や森といった自然の持つ力強さの部分と、認知症の老人と介護士の女性の2人に代表される、この先どうなっていくのかが見えない孤独な心を持った人間の弱い部分です。ドキュメンタリー上がりの河瀬監督がどういう狙いで作られたかは分かりませんが、人間は脆い心を持っており、その拠り所として弱い者同士が惹かれ合うのは至極当然であり、その形は様々あるのだなという事。この主人公2人も、互いに寂しさ以上に互いを必要としている(男は女に死んだ妻を重ね、女は男に自分を必要としてくれている)という部分で惹かれ合い、離れる事ができない関係だったのだと思います。男女が主人公という事でもそこにエロティシズムは感じません。むしろ人間同士の根底の部分での結びつきを感じました。森の中であの認知症の男が亡くなった奥さんの墓を見つけた時、介護士の方は何故泣いたのかな?とか分からない部分も多いですが、世界で認められたこの作品を1度は観ても面白いと思います。感情移入出来るかどうかは、ご覧になる方の置かれている環境によるかもしれません。緑を基調とした作品の景色は文句無く美しいです。
【まさかずきゅーぶりっく】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2007-09-11 16:32:01)
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