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レビュー情報
《ネタバレ》 ダルデンヌ兄弟の作品らしく、音楽も無く淡々としています。「ある子供」「息子のまなざし」より更に説明が少なく、ロゼッタという少女を近い位置から観察しているけど、決して手を差し伸べないような冷たい空気で進行する映画です。彼女が求めているものは特別な幸せの形ではなく、押しつぶされそうな絶望感に対して、自らを鼓舞する様がとても痛いです。横流しで仕事をしていた少年を密告する部分に関しても、生きていく上での彼女なりの正義。腹痛の原因や、山に鉄柵を張り、靴を隠している等の理解不明な部分もある意味ではリアルで(人間は時に理解不能な事をするし)、1人の少女のめいっぱいの苦悩と頑張りをカメラを通して知る事により、我々は生に対する価値観や苦しみを痛感せざるを得ません。ベッドの中で、心の中に隠している本当は弱いもう1人の自分に語りかけるシーンや、最後の最後で涙を見せる弱さ。等身大のロゼッタが求める希望への哀願がひしひしと伝わってきました。
【まさかずきゅーぶりっく】さん [DVD(字幕)] 7点(2007-01-06 16:34:36)
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