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いろいろな意味で非常にバランスの悪い映画でした。どう考えてもジェイミー・フォックス演じるマックスの方が主役なのに、トム・クルーズに主役オーラが出過ぎているために話がバラけているのが第一の間違い。そのトム・クルーズが喋りすぎるために中盤がダレすぎ、孤軍奮闘するマックスの焦りがその頑張りの割にはスクリーンからこちらに出て来れない。しかもストーリーは地味で、どちらかと言えばB級サスペンス向け。加えてどう考えてもLAではなくNY向け。小粒な役者を集めてポール・シュレイダーあたりがNYでゲリラ的に撮ってこそ初めて面白くなるストーリーを、何故かハードボイルドのメッカLAで、トム・クルーズ“客演”で撮ってしまった。トム様をかつぎ出した以上予算はたっぷりあるから、無意味な空撮とかばんばん使ってLAの街並みを贅沢に俯瞰で流しているけど完全に無駄。たぶん『ヒッチャー』のバリエーションなんだろうと思うけど、本来決して器用ではないトム・クルーズにこの脇役は無理でしょう。終盤の30分だけ、期待していたジェイダ・ピンケットの脚線美とジェイミー・フォックスの大活躍をちょっぴり堪能できた、ただそれだけの映画です。巻き込まれ役がブルース・ウィリスで、冷徹な殺し屋がサミュエル・L・ジャクソンだったらかなりおもしろくなったと思います。要するにそういうレベルの映画です。こんなに輝いてないトム・クルーズは久しぶりに見ましたけど・・・。しょっぱなでチラッと出て来たジェイソン・スティザムが何の伏線にもなってないのもイタかったですね。ジェイダ・ピンケットは今最も輝いている黒人女優の一人だと思っているけど、私生活でウィル・スミスと結婚しているくせに映画の中までジェイミー・フォックスに肩なんか抱かれちゃうのちょっと反則だと思います。
【anemone】さん 5点(2004-11-01 23:08:59)
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