蒲田行進曲 の anemone さんのクチコミ・感想

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蒲田行進曲 の anemone さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 蒲田行進曲
製作国
上映時間109分
劇場公開日 1982-10-09
ジャンルドラマ,コメディ,戯曲(舞台劇)の映画化
レビュー情報
邦画はあまり詳しい方ではないのだが、この映画は私の観たことのある邦画の中では文句なくベスト1。売れなくなって、男にも捨てられた元トップ女優。看板スターの座に必死でしがみつこうともがきながらも、ジワジワと人気が落ちて行く男。万年大部屋で、優しいだけが取り得の貧乏役者。それぞれが純粋に、だがどこまでもマゾヒスティックに、傷つけたり傷つけられたりを繰り返しながら不思議な愛情で結ばれている。銀ちゃんのスターの座をかけた新作映画「新撰組」の池田屋階段落ち。いくらなんでも、あんなにバカ高くなくたっていいだろうと誰もがあんぐり口をあける巨大な階段。「新撰組」を成功させるためには、そして銀ちゃんをスターの座に返り咲かせるためには、誰かがその階段からまっ逆さまに転げ落ちる役を演じなければならない。妊娠した愛人・小夏を押し付けられて、憧れのスターと結婚できたと無邪気に喜ぶ大部屋役者ヤスは、銀ちゃんへの恩返しのためにと命がけでその階段落ちに挑む。観れば観るほど「バカじゃないの?」としか思えない三人三様の大バカぶりは、義理人情のために命を捨てて来た大和魂の新しい形。映画のためなら人の命さえ犠牲にする活動屋魂、スターであり続けるために愛人の人生を踏みつけて恥じない名声バカのスター魂。愛する男のためにイヤイヤ大部屋役者と結婚したものの、いつの間にか夫に尽くしてしまう女の悲しい性。あり得ないぐらいバカに突っ走る登場人物たちの姿に、日本人ならではの悲しい純情をアイロニカルに綴った作品。何度観たか知れない、ヤスが人吉の母親の元へ小夏を連れて「凱旋」するシーンでは、今でも観るたびに涙がこぼれてしまう。おバカで一生懸命なのって不思議に楽しい、そう思わせてくれる日本映画の傑作である。
anemoneさん 10点(2003-12-11 23:42:55)(良:1票)
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投稿日付邦題コメント平均点
2008-09-01南極物語(2006)8レビュー6.04点
2008-05-02実録・連合赤軍 あさま山荘への道程10レビュー6.72点
2007-04-21ロンゲスト・ヤード(2005)6レビュー6.40点
2007-04-19ミーン・マシーン9レビュー5.55点
2007-04-16セレンディピティ5レビュー5.73点
2007-04-14N.Y.式ハッピー・セラピー5レビュー5.43点
2007-04-14ビッグ・ダディ8レビュー6.05点
2007-04-08ジェリー10レビュー3.00点
2007-04-05ステイ6レビュー4.21点
2007-04-0450回目のファースト・キス(2004)8レビュー6.81点
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