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レビュー情報
安易に二匹目のドジョウを狙わず、大ヒットした前作のジャンルを完全に変えてしまうという凶悪な手法で、見事に前作とは全く異なる評価を勝ち得たという点で、映画史に是非残すべき作品。閉ざされた空間、姿を見せない敵、一人、また一人と消えて行く乗組員たち、という1作目の独特の世界観とギーガーの創出した奇怪な異星人の姿を思いっきり逆手に取り、わらわらと湧いて出るエイリアンに立ち向かうのは訓練を受けた職業軍人たち。「今度は戦争だ!」のコピーに恥じず、大派手にやってくれた心意気は大したもの。もちろん前作の独特のムードをブチ壊しにされたとリドリー・スコットが鼻血を出して激怒したのも無理はないが、敢えて大ブーイングを覚悟の上でこれをやったジェームス・キャメロンの度胸と自信には頭の下がる物がある。前作で、丸腰とは言えあれほど大勢の乗組員たちをひとたまりもなくやっつけたのがたった1匹であったことを考えると、いかに武装部隊とは言えずいぶんエイリアンが弱くなった気はしないでもないが、前作を完全にネタとして利用し尽くしたという点で、「二匹目のドジョウの正しい狙い方」に新たな境地を開拓したことの意義は大きい。前作の、かなり真剣なファンである私でさえ、これには参りましたと言うほかなかった。ヘタな猿真似に終わるよりは、はるかに有意義な「続編」だったのではないかと思う。ご立派。
【anemone】さん 9点(2003-12-08 22:44:44)(良:2票)
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