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《ネタバレ》 ウィリアム・フリードキンにはもう騙されないぞ、と念仏みたいに繰り返しながら早30年。最後に騙されなかったのが1973年の「エクソシスト」であったことを考えたら、さすがにいい加減何かを学んでも良さそうなものだと自分自身に愛想が尽きる私である。ベニシオ・デル・トロ、トミー・リー・ジョーンズ、二人のカッコよく闘う姿が腹いっぱい見たいぞ、という一つのファンタジーは実現しているような気がするが、いくら頭がおかしいからって無動機殺人を繰り返して逃走中の犯人がノコノコ自宅に戻って来たり、それを追いかけて来るFBI捜査官が包囲網のひとつも敷かずにこれまたノコノコ犯人宅に上がり込んでいきなり逃げられたりとツッコミどころは数知れず。知らないうちにずいぶん老け込んでしまったトミー・リーの姿にちょっと切なくなったり、めちゃ強のアクション・スターと化したデル・トロのオスカー俳優なんてオラ知らないもんね的庶民感覚にホロッとさせられたり、内容以外で肩入れ出来る部分がこれほどあるのに、ここまで楽しくならない映画っていうのも正直どうかと思う。まあでも、そう言いながらもフリードキンがいまだに映画監督やってられるってことは、私ばかりじゃなくて世間全般が彼にはどうしても甘いのかもね。彼にどういう偶然で「フレンチ・コネクション」が撮れたんだか、そろそろ納得の行く説明を誰かがした方が良いような気がするのだが。悪魔に魂でも売ったのでしょうか。
【anemone】さん 5点(2004-02-16 17:49:07)
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