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いろいろな意味で旧作への「愛」、そして四半世紀後の今、再映画化するにあたって、単に旧作の焼き直しにとどまらない「心意気」を感じる作品。ガラッと変わったストーリー展開の中にあっても旧作のモチーフが随所に散りばめられ、その精神性は正しく引き継がれたと思う。リメイクというよりはオマージュに近い内容だが、「人はそれでも生きることを諦めない」という最大のメッセージは強烈に生かされている。看護婦、セールスマン、警備員・・・実に普通の、決して特殊な能力に長けたトップエリートではない彼ら生存者が、「生」へのエゴをぶつけ合いながらも次第にお互いの個性を認め合って一つのチームに成長していく姿の中に、アメリカ社会が最も重んじるグループ・ダイナミクスの妙が見える。時にシニカルに、時にエゴイスティックに、しかし断固として「生」への執着を捨てない一握りのアンチ・ヒーローたちは、絶望的な篭城の果てに英知を駆使して脱出に一縷の望みを賭ける。スタイリッシュな映像、軽快なプロット、完璧な楽曲選択。非現実的な設定の中で、無名ながらあまりにも魅力的な登場人物たちが織り成すリアルな人間模様。ホラーを愛し、ホラーで遊ぶという旧作の精神そのままに、死者と生者を分かつ物という深遠なテーマをとことん遊び倒した本作の精神は、映画という芸術において特にホラー映画が担って来た「娯楽とは何か」という本質的な問いかけに対する率直な答えでもある。 【DVD版を見た後の追記】シーンが追加された分、劇場公開版にあったキレの良さが多少損なわれた印象。でもCJの見せ場が増えたのは嬉しいです。
【anemone】さん 10点(2004-05-16 05:00:58)(良:1票)
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