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《ネタバレ》 この映画を見返すと、デレク(エドワード・ノートン)がどうして黒人に対する差別を拭い去ったのかという心の変遷が上手く描かれているとは思えませんでした。ですから「人種差別」を考えると言う意味では失敗作のようにも思えます。デレクは刑務所内で出会った黒人と、下ネタや野球の話、長い共同作業を通して心を通わせ、最後には黒人と打ち解けますが、デレクが黒人差別の考えを改めたという展開はかなり淡々としています。どこで、どうデレクの考えが変わったのかは容易に分からないのです。ヒントがあるとすれば、デレクの黒人差別の原因はダニー(エドワード・ファーロング)が映画の中で示しているように、デレクは黒人に対する先入観を尊敬する父親から植え付けられたということだけです。しかし、「差別の心がどう変わったかが描けていないからダメ」と簡単に言って良いのでしょうか?「人種差別は良く無い」と言う事は簡単ですが、「人種差別の考えは、こう言う風にしたら無くなるよ。」と簡単に答えられないからこそ、今でもこの問題が大きく取り扱われているし、もともと差別の原因を単純に表すことなんて不可能なのではないでしょうか?というのも人を差別するという心は生きてきた環境が違えば1人1人違うものだし、同時にそれを解決する答えも1つでは有り得ないからです。人種差別の問題がどうやって起こるのか、どう解決すれば良いのかよく分からない内容になっているのは、この映画は差別について考えるきっかけを与えようとしているからなのではないか、と僕は思いました。そして、差別が無くなるまでは「差別の問題を考えつづける事」はとても重要な事だとも思います。
【もっち~(←にょろ)】さん 10点(2003-11-27 11:52:05)(良:2票)
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