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《ネタバレ》 作品としての完成度や物語のメッセージの伝え方はナウシカやラピュタには到底及びませんが、この映画は善悪のはっきりした分かりやすい登場人物しか居なかった今までの宮崎作品とは一線を画するのではないかと思います。「もののけ姫」ではサン、モロ、エボシ、乙事主、ジコ坊などが自分たちなりに生きるために対立・敵対しています。しかし、アシタカのように客観的な視点から見れば、誰が善で誰が悪かということは全く言えないのです。それぞれの立場から敵対し、話し合う場を持たずに武力で争いを起こしてしまう「もののけ姫」の登場人物たちの姿は、ファンタジーでありながら実際の人間社会を見ているかのようです。立場の違いによって引き起こされた無益な争い事の果てに、アシタカはサンにこう言います。「サンは森で、私はタタラ場で暮らそう。『共に生きよう。』」と。この映画のキャッチコピーは「生きろ」でしたが、この映画のテーマは「住む場所や進む方向性が違っても、争わずに『共に生きる。』」ということなんじゃないでしょうか。
【もっち~(←にょろ)】さん 8点(2004-03-01 03:01:26)(良:1票)
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