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《ネタバレ》 007、コネリーから数えてスクリーンで見たのなんて10本しかなくて、これは面白いって思ったのは『トゥモロー・ネバー・ダイ』くらいで、だからそんなに思い入れはないのだけど(何らかのカタチで全作見てはいるわよね、と思ったけれど考えてみると『ムーンレイカー』と『オクトパシー』は見た記憶が全く無いわ)、でもクレイグボンドはなんか違うのよねぇ、って。粗野でスマートさに欠けていて、作風もヘンに重々しく深刻ぶったカンジで、でも007ってそういうモノ?(しかし唯一全作スクリーンで見ているのがクレイグボンドだわ)
で、今回、ダラダラと長いし、ベラベラとセリフ多いし、ジマーの音楽うるさいけど、それでもQが作った秘密兵器関係とか、敵の秘密基地とか、往年のシリーズのニオイを漂わせていて、まあ音痴というか色々な要素の密度が薄めながらも、らしくなったんじゃない?と思ったそばから何やらかしてるのやら。 ボンド殺しちゃダメでしょ。 いやね、だったらせめてもう少しマシな花道を飾らしてあげなさいよ。何あの、ギャグみたいなスペクター全滅は、出来損ないのレクター教授みたいなブロフェルドは、ボンドの浅はかな行動の数々は、敵基地での緊迫感の無いドタバタは、しみったれた敵ボスは、そして実質的にそのボスに敗北しちゃうボンドは。 今はもはやセクシーなボンドガールとの駆け引きが成立しない時代だからボンドみたいなのは死ぬしかないでしょ?って事かしらねぇ。恋人と娘を出してそれを守る、っていうのを大義名分というか盾にして。でも残念な事に楽しい、良かったのはキューバでのカッコいい女エージェントとの共闘シーンだったのよね。 007は時代との齟齬をきたしまくってきたシリーズって気もするのよね。世界情勢の変化に対応しきれないアナクロで荒唐無稽なお話、みたいな。正確には時代に合わせようとしつつ007っていうブランドを適応させきれなかった、みたいな。で、それを時代に寄せようとしたクレイグボンドが正解だったのか?っていうと、それはそれで疑問に思ったりもして。だって娯楽映画なのだから。 虚しいキモチで映画館を後にする007って、アリなのかしら? アタシは無しだと思うわ(ショボくて虚しい、ってのがありはしたけど)。まあ『女王陛下の007』が存在していて、それのオマージュをきっちり出してきてるワケだけども、エンドロールでその淋しいキモチを反芻をしているって、なんかねぇ。 【あにやん🌈】さん [映画館(字幕)] 5点(2021-10-10 22:50:24)(良:2票)
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