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《ネタバレ》 予告編で気になっていた映画です。『虹の女神 Rainbow Song』ときれいなタイトルなんですが、シンプルでいて深い、そして切ない映画です。『ただ、君を愛してる』のあとにみましたがあちらがハッピーエンドなのに対し、こちらは終末を感じさせるやりきれない物語になっていて喪失感を感じます。岩井俊二プロデュースだからか、画調は岩井監督のものに近いですね。ただこういうガウスかけまくりの映像はたとえ照明が印象的に作用していても手放しに美しいとは言えず、くどさがあります。好きな人は好きなんだろうけど…。この映画を作った人は、本当に映画が好きなんだろうなと思わせる場面が映研関連の場面に多く見られて気持ちが良かったです。そして何より良かったのが主演三人の演技。とくに上野樹里によるあおいのキャラクター作りはサバサバした好女性で、突然世を去ってしまう喪失感を味あわせてくれます。願わくばもう少し彼女の個性を感じる場面を見せてほしかったですけど、自主製作映画UPのときに岸田に朝倉へのアタックをけしかけるときの表情など、恋する女性の演技がとても上手で目を見張りました。だからこそあおいを出会い系サイトにしている岸田が際立ち、お見合いバーの帰りの「結婚するか」発言のあとの怒りなども観るものに迫ってきます。あおいの片思い、それにあいまいにしか気づかなかった岸田がおたがいの気持ちを本当に知るラストは蒼井優演じるあおいの妹の「ばかだなあ、お姉ちゃんも岸田さんも」に集約され、心に響きます。儚い虹。最後に力尽きた携帯電話。喪失を描く、青春映画の佳作と思います。
【トト】さん [映画館(字幕)] 8点(2006-11-19 22:28:09)(良:2票)
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