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《ネタバレ》 増村保造監督が大学時代の同期生でもある作家・三島由紀夫を主演に迎えて作ったヤクザ映画。冒頭のタイトルロールの音楽からして大映っぽくなく、むしろ日活アクション映画を髣髴とさせるような出だしに少し違和感が。はっきり言って増村作品云々よりは俳優としての三島由紀夫に興味がいって見た映画だったが、主演の三島由紀夫の演技は共演者たちと比べてしまうと素人の分だけあって下手ではあるが、まあ思ったほど酷くはないと思う。(よくもないが。)話のテンポは増村監督らしくよくて分かりやすく楽しめるものの、出来としては普通のヤクザ映画の域を出ておらず、平凡な印象で、若尾文子に関しても印象は普通で、妊娠を三島由紀夫に告白するシーンや、堕胎薬を飲まされそうになるシーンで、増村監督の映画のヒロインらしい強さを見せるもののそれでも何か物足りない。ラストのエスカレーターのシーンがいちばん印象的だけど、増村映画として特に見るべき点は少なく時期的に「氾濫」同様に発展途上の作品と言ったところか。そういえば主人公のおじさん役で志村喬が出てるけど、増村映画に志村喬というのはちょっと珍しいなあ。
【イニシャルK】さん [DVD(邦画)] 6点(2010-01-07 14:56:23)
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