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アガサ・クリスティのポワロシリーズの中でもとくに有名な一篇を映画化したシドニー・ルメット監督によるオールスター大作。最近も日本で三谷幸喜脚本によるスペシャルドラマが放送されていたが、それをきっかけに再見。雪で立ち往生した列車が舞台ということもあってか、何やら舞台劇を見ているような進行で、あまり派手さはない映画だが、あまり退屈せずにそこそこ楽しめた。しかし、アルバート・フィニー演じるポワロにあまり魅力がなく、なんかただの胡散臭いおっさんにしか見えないし、脚本的にもせっかくドラマとして盛り上がりそうな話なのに、筋を追うのに精いっぱいでドラマ性が薄く、登場人物たちにもさして感情移入できなかったのが残念だった。ただ、容疑者たちがみんな怪しく、誰が犯人かと思わせておいてのあの真相は意外性があり、うまいと思う。(でも、脚本というより原作の力が大きいような気もする。)日本語吹き替え版で見たのだが、吹き替えで出演している納谷六朗や大塚周夫が最近亡くなってしまったのが惜しい。ルメット監督と言えば「十二人の怒れる男」が思い浮かぶが、本作も「12」という数字がキーワードになっているのはたぶん偶然だろうけど、「十二人の怒れる男」を見た後になって本作を見ると、それだけではないのではとつい勘ぐってしまう。(2015年2月11日更新)
【イニシャルK】さん [DVD(吹替)] 6点(2005-08-22 22:47:36)(良:1票)
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