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《ネタバレ》 このシリーズを見るのもかなり久しぶりなのだが、やはり面白い。今回はラストに殴り込みがあるのはもちろんだが、冒頭にも殴り込みがあり、マキノ雅弘監督の観客に対するサービス精神というものを感じるし、高倉健演じる主人公に幼い息子がいるという設定も新鮮で、何か今までと違うことをしようという意気込みが伝わってくるし、その意味で言ったら金子信雄が最後まで善人というのも東映の任侠映画ではなかなかに珍しい。(どうせいつか裏切るだろうと思って見ていたのでかなり意外に感じた。)脇役陣もマキノ監督らしく賑やかで楽しく見ていて気持ちがいいし、やはりマキノ監督は脇役ひとりひとりの個性を引き出す演出のうまさは群を抜いていて、だからこそ主役の高倉健だけでなく、主人公の周りにいる仲間たちがみんな魅力的に描かれているのが良い。それに任侠映画のラストというのは主人公が捕まって終わりというパターンが多い中、今回はそう思わせておいて捕まらない終わり方になっていて、それが清々しく、なんとも後味の良い終わり方で、任侠映画としてはちょっと異色かもしれないが、こういう終わり方は好きだな。この最後のシーンで子供を連れて歩く高倉健と藤純子の笑顔がなんとも素敵。
【イニシャルK】さん [DVD(邦画)] 8点(2022-11-13 17:34:34)
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